こんにちは。飛騨ジモト大学の高校生メンバー 遠藤朱純(えんどうあすみ)です。
今回は、10月7日に行われた飛騨ジモト大学の「コロナ後の飛騨高山の観光を考える」というイベントの後半、座談会の内容と私の感想を書きたいと思います!!
前半の記事はこちらからご覧ください!
コロナを怖がらず、With コロナの本質を理解する
遠藤朱純(以下、遠藤):Go to travelキャンペーンの影響はどのような感じですか?
長瀬欣子(以下、長瀬):やはり、お得に旅ができるので利用する人は増えています。緊急事態宣言が明けたばかりの今年の5月は、私が今までじゃらんに勤めてきた中でも今までに見たことがないくらいに人の動きがありませんでした。それこそ国内外からの移動ができなかった東日本大震災の頃よりも状況は悪かったです。しかし、go to travelキャンペーンの認知が広まってきたことによって自社のネットの中だけで言うと去年以上に入ってきているところも出てきていて、海外のお客様からの予約も徐々に回復しています。さらに宿関係では安く泊まれるということで普段よりも高いランクに泊まる人が多いです。
村井繁喜(以下、村井):皆さんは最近見なくなったものは何だと思いますか?僕は、観光バスを最近見なくなりましたね。団体のお客さんが来なくなり、個人のお客さんが多い状態です。2021年の1月でコロナが出てきて一年になるんだけど、僕が思うのは、みんなコロナを恐れて逃げ回ってるってことなんだよね。with コロナ、つまりコロナと共に生きるってことを考えたら僕は絶対にコロナを怖がらないね。With コロナの本質を理解して、国が出したガイドラインに沿ってルールを守った観光が大切になってくるよ。本当のwith コロナを考えてほしいです。
遠藤:「コロナ禍でお店同士が協力するようになり、お客さんにオススメのお店を紹介するようになった」と伺いましたが、どんなお店を紹介していますか?
村井:ガイドブックにはあくまで味とか雰囲気とかしか載っていなくて、コロナ対策が安心かとかは分からないじゃないですか。ですから、岐阜県独自の感染症対策をおこなっていることを示すシールを貼っているお店や、昔から顔なじみのお店の確かな情報を大切にしています。地元の人からの「このお店は安全かつ安心ですよ」という情報のほうがお客さんは喜ばれますね。
高山は観光業で成り立っている。現実と向き合い、一緒に考えていきたい。
参加高校生:学校のFRHという活動の一環で、修学旅行がなくなった高校生たちにホテルに泊まれるプランというのを考えているのですが、プランを実現できる条件はありますか?
村井:修学旅行生をホテルに受け入れること自体に損はありません。では、逆にどうして儲からないと思いましたか?
参加者:やっぱり学生なので高い部屋に泊まることはできないし、ご飯もあんまり食べられないからですかね…。
村井:それでは、秘密を教えます。修学旅行では一つの部屋に7〜8人入ることができます。普通のお客さんだと平均で一部屋に2.5人ほどしか泊まりません。つまり、団体旅行が儲かるのと同じで一部屋当たりの儲けが多くなるんですね。
参加者:学校の事前調査で「コロナが怖いので観光に来てほしくない」というあるお店の意見があったのですが、そうした意見も踏まえてこれからの観光業をどう考えていますか?
村井:2021年になってくると状況は変わります。3月頃、夏頃、そして現在のコロナに対する考え方は少しずつ変わっていませんか?やはり現実を見ていくしかないんです。たしかに怖いし逃げたくなるんですが、高山は観光業で成り立っています。働いている人には国からお金も出ていますし、働かないとそれはもらえません。Go to travel キャンペーンがあるからいろんな企業も雇用を守れています。
経済は人間でいうと血なんです。これが途切れちゃうと死んじゃうんです。人間が生きていくためには、お金儲けと自分の趣味で成り立っていると思っています。どちらか一方だけでは生活は成り立ちません。だから、経済は回していかないとダメなんです。来てほしくないからと言って経済を止めてしまうと、いつか自分のところにお金が入ってこなくなり、自分の大切なものも守れなくなってしまいます。それだけはちゃんと理解してほしいし、これから皆さんと一緒に考えていかなければならないことですね。
村瀬さん、長瀬さん、ありがとうございました!!
今回の講話を通して、観光業界のリアルな今を実感することができとても良い機会となりました。今までだったら観光客側の視点からしか今の状況を考えられなかったと思うけど、今回の講話を通して新しい視点に気づくことができてとても興味深かったです。
これで「コロナ後の飛騨高山の観光を考える」のレポート記事は終わりです。お読みいただきありがとうございました!!
担当 高校生ライター:遠藤朱純