【後編】「医療と薬剤師」イベントレポート ー 飛騨ジモト大学 高校生限定講演会

こんにちは!飛騨ジモト大学 高校生メンバーの加藤玲奈です。

10月12日に行われた飛騨ジモト大学のイベント「医療と薬剤師」の内容について、前半に引き続き、後半の様子をお伝えします。

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ゲストは須田病院で薬剤師として働いてみえる沖村里咲さんにお話を伺いました!

加藤玲奈(以下、加藤):新型コロナウイルスでどのような影響がありましたか?

沖村里咲(以下、沖村):私は精神科病院である須田病院で働いているので、コロナウイルスの患者さんを直接診ることはありませんが、院内感染の防止は徹底してました。

加藤:沖村さんご自身はどのような感染対策をしていますか?

沖村:基本はうがい手洗い、消毒などをして、患者さんにうつさないということです。また万が一感染してしまったら、その感染ルートをどのように断つのかというのも話し合いました。情報収集も欠かさず、ホームページから情報を集めたり、他の医療現場ではどんな対応しているかを見ています。

加藤:医療現場にはどのような影響がありましたか?

沖村:高山赤十字病院とか久美愛厚生病院とかは高山市の中核となる病院なので、実際にコロナウイルスの患者さんが運ばれてきた時、どのような対応をするのかなどを考えていたと思います。またウイルスが流行する前は院内患者の面会などは許可されていましたが、今は面会制限や、病院に長くいる患者さんは自宅に帰ったりすることが難しくなりました。

逆にコロナウイルスが流行して良かったこともあると思います。主には「感染症対策の意識向上」です。手洗いうがい、消毒の徹底でインフルエンザが少なかったです。きっとこの流行が終わっても手洗いへの意識は保たれると思います。

加藤:医療現場の業界について教えてください!

沖村:まずは病院についてです。この地域だと久美愛厚生病院、高山赤十字病院、須田病院、高山厚生病院などありますが、ざっくりと分類分けをすると「急性期病院」「療養型病院」「診療所・クリニック」に分かれます。

急性期病院は、容態が急に悪化したときに診察してもらう場所で、救急の役割があります。療養型病院はお家で看るのが大変な、看護師さんが看ないといけない病気を治療するところです。こうした入院患者さんがいらっしゃる病院には数人の薬剤師が働いています。診療所やクリニックには薬剤師はいません。処方箋を出して薬局で薬をもらうのが一般的ですね。

加藤:次に病院で働く人はどのような職業の方々がいますか?

沖村:須田病院での場合をお話しします。医師、看護師、薬剤師に加えて、検査部には「検査技師」がいます。血液検査などをおこない、医師にまで結果を届ける役割があります。「栄養士」は入院患者さんの食事の管理や栄養指導をします。続いて、「臨床心理士」。カウンセリングや最近だとADHDなどの発達障害の検査もしています。次に「作業療法士」。例えば精神科だと塗り絵や計算ドリルを患者さんとおこなったりしています。

また、入院患者さんが退院していくときに、一人暮らしの方や家族のもとに帰らない方の場合は、医療のシステムを利用して申請や障害者手帳の発行が必要なので、そうしたやりとりをサポートするのが「ソーシャルワーカー」です。事務部で働く「医療事務」の職員さんも保険制度などに詳しくなければ勤まりません。そのほか「清掃」の方や、施設を管理する「施設課」など多岐に渡ります。

加藤:薬学部を卒業された方の進路はどうなりますか?

沖村:私が卒業した大学の進路で言えば、半分くらいは薬剤師として働いています。残りの半分は製薬企業に勤めたり、ものづくり企業に勤めたり、公務員になった方もいます。大学院に進学してアカデミックで研究続ける方もいます。大学によってバランスは違いますね。薬剤師の免許は9割の卒業生が取得していますが、結論、薬学部出身の人の働き方は色々です。

医療現場で働いている人といえばお医者さん、看護師さん、などのイメージが強かったですが、その方々だけではなく事務の方で働いている方やお掃除の方も含め、たくさんの方々で成り立っているんだなと新たな発見がありとても貴重な時間でした!沖村さんありがとうございました!

これで「医療と薬剤師」のレポート記事は終わりです。お読みいただきありがとうございました!!

担当 高校生ライター:加藤玲奈

この記事を書いた人

飛騨ジモト大学高校生メンバー

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