次世代へぬくもりを創りだす「ノクターレ」ー 塩谷 英雄( ノクターレ / TS産業 )

加工が難しいスギをなぜ活用するのか?社会に問いかける新たなものづくり。

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」出展作品。

ぬくもりを創りだすブランド「ノクターレ」のものづくり

私は家業である木工会社の二代目で、主に地元の家具メーカーの下請け製造を行なっていました。しかし、今後の会社のためにも自社商品を開発しようと思い、立ち上げたブランドが「ノクターレ」です。飛騨弁で「温かい」を意味する「のくたい」と、イタリア語で「創りだす」を意味する「インベンターレ」を組み合わせた造語で、ものづくりを通じてぬくもりを創りだすことがコンセプトです。これまでには、スマホケースや名刺入れに始まり、ネクタイやヘッドフォンといった変わり種まで、様々な作品を制作してきました。飛騨の伝統工芸である一位一刀彫や飛騨春慶も多く取り入れ、新たな価値の創出に挑戦しています。

加工の難しいスギの優しい手触りと、凛とした木目の美しさが見所

今回の出展作品である「シダーベース(花瓶)」と「スツール(腰掛け)」は、ともに針葉樹である地元のスギを使っています。シダーベースは木工旋盤を使用して削っていくのですが、スギはとても柔らかい素材ですので傷が付きやすく、形も変わりやすいため加工にはとても苦労しました。スツールも同様で、柔らかいスギは強度が出ないため家具には不向きな材料です。試行錯誤した末に、従来の木材の接合方法を使わず、材料を塊で固めて形を作ることで強度を出しました。今までの作品とは全く違った発想によるものづくりです。ぜひ、スギの凛とした木目の美しさや、優しい手触りを体感してください。

環境問題への問いを投げかける「きっかけ」をつくるものづくり

苦労がありながらもスギを活用したい理由には、森林の保全を始めとする環境問題があります。ここ数年の飛騨地方では、大雨による土砂崩れや河川の洪水から大きな被害が出ています。こうした災害の原因の一つには、スギやヒノキといった人工林の手入れが行き届かず、荒れ果てた森林が放置されていることが挙げられます。私一人では到底解決はできない課題ですが、ものづくりを通してそうした環境問題にアプローチしてみたい。そんな想いからスギを活用した作品を生み出しました。みなさんは飛騨地方の森林保全をどう考えますか?この作品が、そんな問いを投げかけるきっかけとなったら嬉しいです。

ノクターレの連絡先はこちら

社名:ノクターレ( TS産業 )
代表者名:塩谷英雄
住所:岐阜県高山市清見町三日町82
TEL:0577-68-2104

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」開催情報はこちら

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」

開催日程:2020年11月12日(木)〜18日(水)の1週間
時間:午前10時〜午後4時まで
会場:国指定重要文化財 日下部民藝館(大新町1-52)
入場料:無料(開催期間中は入館料も無料となります!)

※駐車場はございませんので、近くのコインパーキングなどご利用ください。

お問い合わせ先

高山市ブランド戦略課
住所:高山市花岡町2丁目18番地 高山市役所4階
TEL:0577-35-3001
E-mail:brand@city.takayama.lg.jp

 

 

飛騨高山ものづくり実践塾作品展 想・創・装
高山市公式ホームページ

 

 

この記事を書いた人

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丸山純平

丸山純平(まるやま じゅんぺい)
高山市出身。株式会社ゴーアヘッドワークス 企画/ライター
ヒダストのほぼ全ての記事を書いています。
最近は飛騨ジモト大学の事務局も担当。
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