曲線美に心が凛と澄む「勾玉仏壇」ー 堀尾 宗弘( 仏壇工芸ほりお / 木地師 )

老舗仏壇製造店の巧みな技術の結晶。日常に祈りの所作を飛騨から発信する。

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」出展作品。

多くのプロフェッショナルが関わる、飛騨の匠が活きる仏壇製造

私たち「仏壇工芸ほりお」は明治四十二年に創業した、県下屈指の仏壇の製造直売店です。仏壇の製造や修繕には、彫り師、木地師、貼り師、金具士、塗り師といった工程ごとに専門の職人が関わり、それぞれの分野のプロフェッショナルが協力して仕上げていく総合的なものづくりです。また、春慶塗りを始めとする、飛騨の匠の技術が存分に活かされており、それゆえに職人の高齢化や廃業といった課題が直面している業界でもあります。厳しい状況ではございますが、飛騨の匠の技術やブランドは大きなアイデンティティですので、私たちのものづくりにおいても飛騨発信であることは大事にしていきたいです。

流線型のSラインが美しい扉と、一枚板から仕上げた巧みな技術

今回、出展させていただく「勾玉仏壇」には二つの大きな特徴がございます。一つ目は、勾玉の名の通りに流線型で仕上げた扉です。両扉をぴったりと合わせるのは技術的にも非常に難しいのですが、閉じた際のSラインは空間を凛とさせるほど美しく感じられます。二つ目は、無垢の一枚板から仕上げた点です。通常、こうした箱モノは張り合わせた板を使用することで、コストを抑えながら量産していきます。しかし、この作品は私たちの技術の結晶として世に出したかったので、一枚一枚の形や木目が違う板と会話をしながら、その木がもつ癖を活かしながら組み立てたのでとても手間がかかりました。

心の拠り所が多様化する現代で、祈りの所作を生むきっかけに

昔と比べて、現代社会では住居や家庭環境が大きく変化していますので、勾玉仏壇は現代の暮らしにあった飾りやすいサイズで製作しました。それぞれの心の拠り所も多様化しておりますが、最近では瞑想やマインドフルネスが注目されているように、忙しい日常の中でしばし立ち止まって無になり、自身の心のポジショニングを確認する時間が重要視されています。ぜひ、この勾玉仏壇にはご自身の大切にされているモノを飾っていただき、日々の暮らしに祈りの所作を生むきっかけとして、多くの方の平穏や幸せの一助になれたら嬉しいですね。これからも、見る人の心が凛と澄むものづくりを続けていきたいです。

仏壇工芸ほりおの連絡先はこちら

社名:仏壇工芸ほりお
木地師:堀尾 宗弘
住所:岐阜県高山市三福寺町369−7
TEL:0577-33-6686

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」開催情報はこちら

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」

開催日程:2020年11月12日(木)〜18日(水)の1週間
時間:午前10時〜午後4時まで
会場:国指定重要文化財 日下部民藝館(大新町1-52)
入場料:無料(開催期間中は入館料も無料となります!)

※駐車場はございませんので、近くのコインパーキングなどご利用ください。

お問い合わせ先

高山市ブランド戦略課
住所:高山市花岡町2丁目18番地 高山市役所4階
TEL:0577-35-3001
E-mail:brand@city.takayama.lg.jp

 

 

飛騨高山ものづくり実践塾作品展 想・創・装
高山市公式ホームページ

 

 

この記事を書いた人

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丸山純平

丸山純平(まるやま じゅんぺい)
高山市出身。株式会社ゴーアヘッドワークス 企画/ライター
ヒダストのほぼ全ての記事を書いています。
最近は飛騨ジモト大学の事務局も担当。
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