森の豊かさが生んだ「カッティングボード」ー 渡邉 主税( ARTS CRAFT JAPAN )

岐阜県産広葉樹の個性を楽しむ作品。「すべて違う」から、長く愛用できる魅力へ。

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」出展作品。

大好きなものづくりを仕事にしたい。旅を経て、飛驒山脈の麓へ

小さな頃から図工が得意で、芸術大学の彫刻コースに進学しました。卒業後は舞台美術の仕事に就きましたが、一ヶ月かけて作ったセットを本番が終わったらすぐに壊してしまうんですね。その繰り返しに苦しくなって仕事を辞め、自分に合うものづくりを探す旅に出ました。そうして行き着いたのが「木工職人」の道です。九年前に、飛騨山脈の麓 高山市朝日町に「ARTS CRAFT JAPAN」を立ち上げました。今の生活は、趣味や遊び、仕事が一つの塊になっている感覚です。お客様が求めるものを形作っていくのは大変ですが、自分の好きなものづくりを職業にして、朝から晩まで取り組めるのは幸せなことですね。

コンセプトは「すべて違う」。日本の森の多様性を体現する

今回、出展する「カッティングボード」は、二十種類以上の岐阜県産広葉樹を使った作品になります。広葉樹の特徴である曲がりや節、割れを活かして制作しました。コンセプトは「すべて違う」。樹種によって堅さや木目、色合いが大きく違いますので、例えば、朴の木は深い緑色、梨の木は真っ赤に染まります。そうした広葉樹それぞれで違うオンリーワンの魅力を作品に込めました。新作はキャンプ場でも使用できる、三密回避の個人用プレート型をコンセプトにしています。コップやお皿が安定して収まるドリンクホルダーを丁寧に削り、仕上げには、天然の100% 荏胡麻油を使用しました。長く使うほど味が出て、愛用できる作品となっています。

日本の森の豊かさと多様性をカッティングボードから伝えたい

市の面積に占める森林の割合が非常に高い高山市ですが、多くの木工家具メーカーで使われている木材は海外から輸入された外材です。これだけ豊かな森に囲まれた地域ですが、地元の木材を使った作品が少ないことには違和感があります。国産の広葉樹は量産が難しい材料ですが、私たちのような小規模のメーカーだからこそ、小ロットでも多種多様なバリエーションを製作できます。私は木工を通じて、地方の面白さを伝えていきたいですし、高山は木工の聖地となるポテンシャルを大いに秘めていると考えます。カッティングボードを通して、日本の森の豊かさと多様性を伝えられたら嬉しいです。

ARTS CRAFT JAPANの連絡先はこちら

社名:ARTS CRAFT JAPAN
代表者名:渡邉 主税
住所:岐阜県高山市朝日町上ヶ見野畑40-1
TEL / FAX:0577-55-3005

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」開催情報はこちら

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」

開催日程:2020年11月12日(木)〜18日(水)の1週間
時間:午前10時〜午後4時まで
会場:国指定重要文化財 日下部民藝館(大新町1-52)
入場料:無料(開催期間中は入館料も無料となります!)

※駐車場はございませんので、近くのコインパーキングなどご利用ください。

お問い合わせ先

高山市ブランド戦略課
住所:高山市花岡町2丁目18番地 高山市役所4階
TEL:0577-35-3001
E-mail:brand@city.takayama.lg.jp

 

 

飛騨高山ものづくり実践塾作品展 想・創・装
高山市公式ホームページ

 

 

この記事を書いた人

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丸山純平

丸山純平(まるやま じゅんぺい)
高山市出身。株式会社ゴーアヘッドワークス 企画/ライター
ヒダストのほぼ全ての記事を書いています。
最近は飛騨ジモト大学の事務局も担当。
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