flowers change your mind ~幸せなマインドは幸せな未来をクリエイトする~ ー 上嶋貞之 (SADAYUKI JOUSHIMA flower & greenworks代表)

2018年11月25日にオープンした、センスの良さと幸福感が両立する素敵なお花屋さん「SADAYUKI JOUSHIMA flower&greenworks」

『お花を介した人の出会い 社会を変えることは出来ないかもしれませんが 気持ちを変える可能性はあります』

代表の上嶋貞之さんは、お店のホームページにこんなふうに書き綴っています。

一見控えめな表現に見えますが、気持ちの連続が人生を創り、気持ちが行動の起点にあることを考えたら、その変化がもたらすものはきっと大きいはず。

集めた素敵な言葉を花束にしてお届けします。ぜひお読みください。

働くことが当たり前だった幼少期から、音楽に没頭した学生時代

高山市下岡本町に生まれました。3人兄弟の長男です。

今のお店のすぐ側にある「お宿 ちから荘」が父方の実家で、丹生川町にある「味の宿 川瀬」が母方の実家。
宿泊業を営む両親のもとに生まれたので、小さい頃からひたすら皿洗いとか、細かい盛り付けの作業とか、いろいろ手伝っていました。
小学校の頃も夏休みに泊まりがけで丹生川に10日くらい手伝いに行き、朝早くから働いたりもしていました。

北小学校から中山中学校、飛騨高山高等学校の経営科へと進みます。
中学生の頃からパンクをはじめて、学生時代は音楽漬け。丸坊主にサスペンダーしてフレッドペリーの襟立てて、ロールアップしてドクターマーチン履いて。
バンドと言ってもパンクだったので、女の子受けは全然でした。でも、そのうち「モテたい」欲が出てくるんですね(笑)。

年上のメンバーと一緒に、時代にもマッチするギターのメロディに重点を置いたメロコアをやりはじめました。
このメンバーもですが、僕は有り難いことに昔から年上の方に可愛がっていただくことが多かったと思います。

昔は何も考えてなかったと思いますが、周りの年長者をはじめとする豊かな関わりの中でいろいろと深く考えるようになり、段々と自分の価値観、僕という人間が作られたんだと思います。
だから僕に関わってくれた人をずっと大切にしたいし、仕事を介してこれから関わる人が増えることも嬉しいですね。

キャリアはほぼお花一本。下積みを経て自然な流れで独立開業

今では「お花のこと以外何もできない」って冗談で言ったりもするんですが、実は子どもの頃に母の日のカーネーションを贈ったこともないくらい、お花に関するエピソードは何もないんです。

キャリアとしては、高校を卒業して3ヶ月後、「岩田生花店」さんでアルバイトをしたのがはじまり。

お花屋さんで働こうと思ったのは、
「お花屋さんならモテるんじゃない?」
という知人の一言がきっかけでした。

1年働いてみて、お花屋さんの華やかな部分も、それ以外の地道な部分も全部含めていいなと思います。
次に冠婚葬祭に特化した「株式会社愛知生花」さんで約3年半、「flowerー空の色ー」さんで約9年勤めてから独立させていただきました。

結果的に、ほぼお花屋さんのキャリアしかない自分ができることは、お花屋さんとしてお店を構えることでした。

しかし、自分の力だけでここまで来れたわけではなく、たくさんの方に支えられての今を有り難いと思っています。

飛騨の狭さが好き。その狭さが生んだ絆の結び直し

僕は高山に店舗を構えたこともあり、
飛騨独特の人と人との距離感の狭さが好きなんです。

「あっ、◯◯さん?知ってる!」
ってすぐに繋がれる土地柄。
そんなやりとりが嬉しいし、関係性に引っ掛かりがなければその狭さってすごく良いものになると思っています。

同業者との横の繋がりも、すごく大事にしています。
僕が違う個性を持っていることでお客様を取り合うようなことはなくなりますし、それぞれに個性と魅力が生かせたら、全体が豊かになりますよね。

例えばうちのお店のお花は、見たことがないもの、だけどキレイなものが多いと思います。
リースやスワッグも手作りだから、ここにしかないものもあるし、数も多いです。


「今日はあのお店」「明日はこのお店」とお客様が幅広い選択を楽しめるようになって、お花を親しむ人が増えたらいいですね。

「関係性に引っ掛かりがないなら」と言いましたが、実は、僕には唯一心に引っ掛かっている出来事がありました。
ずっとお花一本でキャリアを積んできたと思われることもあるのですが、高校を卒業して3ヶ月くらいは大工さんの仕事をしていたんです。
そこでは志半ばに挫折し、最後は棟梁と喧嘩別れみたいに終わってしまいました。
それがもう、ずっと心残りで……。

photo by naomiitoi

実は10年以上経って、お店を建てるときに、喧嘩別れしたままだった棟梁が手伝いに来てくれたんです。
施主としての挨拶に向かうときは、さまざまな想いがよぎりました。

でも、「こいつは俺の弟子なんや」
が、向こうの第一声で。
さらに、
「出世してまったでな」と。
嬉しかったですね。
師と弟子という関係性はなにも変わってなかったんです。

僕が差し入れのコーヒーを持って行って「ここ、置いときますね」って言うと「おう」って。そのやりとりも当時のまま。
再び出会えたことで僕の心にあった引っ掛かりが取れたわけですが、こんなふうに結び直しができたのも飛騨にいるからだと思っています。

お花で誰かの気持ちが変わること。実はすごく大きいこと

仕事の内容としては店舗での販売やフラワーギフトの作成、店舗やイベント会場などのフラワーデコレーションです。

お店のホームページに、お花について「社会を変える事は出来ないかも知れませんが気持ちを変える可能性はあります」と書きました。
誰かの気持ちが変わることって、実はすごく大きいことです。気持ちが変われば次の行動が変わり、その連続が人生になる

お花はその美しさで、人の気持ちを華やかにしたり豊かにしたり幸せにする力を持っています。
例えば、イベント会場にお花を飾って、その場に集まる人の気持ちが少し変われば、お花がないとは違った展開があるかもしれません。

同じ美しい物を見て「キレイですね」と話ができたら、そこで心が繋がっている
そんなふうにお花を介して心や関わりが豊かに拡がることに価値を感じますし、僕自身一番好きな仕事の場面も、お客さんと花を介してのやり取りです。

お花は人と人とを繋いでくれるツールであり、お花に関わる仕事をしていることで僕自身の人生も豊かになったと思います。

お花の仕事の面白さは他にもいろいろとありますが、鉢の花などでなければ、お花は一回スパンと生命を切られているわけです。
いわば仮死状態から咲き誇り、最高の美しさの頂点を迎える
カウントダウンの中で、いかに最高のパフォーマンスができるように計算するか。
お花は儚いからこそ、嗜好品だし贅沢品だと思っています。最終的には形にも残らないけどそこもいい。

今、力を入れているのはフラワーレッスンで、ほぼマンツーマンで関われるように少人数制です。


せっかくレッスンを受けるなら美しいものにのめりこむ時間を大事にしてほしいですし、お花を求める気持ちの中に、時間とお金に余裕を持ちたい、心を豊かにしたい、ゆとりをつくりたいという気持ちもあると思うので、そこが満たされる時間づくりをしたい。

お花のアレンジも、感性だけを使うわけではなく、「どうしてこの色合わせは素敵なのか?」というロジックがありますので、お客様の感性や思考に乗せてお伝えしています。
内容をこだわったおかげかリピーターさんも多く来てくださり、本当にありがたいです。

自分自身を生き、その役割で人と繋がれることが幸せ

モテることは今ではもう関係なくなっていますけど、良い意味で「モテる」、つまり「選んでいただける」ような価値を築けるように努力していきたいです。

お花が最高のパフォーマンスをしてくれるように届けるということに関してはすごく格好もつけていますし、お花が素敵に咲き誇り、その命を全うした後までちゃんと関わりたいと思っています。

僕は僕自身を生きて、役割として提供できる「仕事」で人と繋がる喜びを得られているから、すごく幸せです。
「人の幸せってなんだろう?」
って考えたとき、僕は愛されること、誉められること、頼られることだと思っています。そして、困ったときはちゃんと頼る。
そこにどう導くかは人それぞれで、僕の手段はお花でした。

お花はあくまでも嗜好品ですが、関わる人口は多いし、お花で「気持ちが変わること」を求める人もいると感じています。

その意味を考えながら、そこに寄り添い、自分の役割でできることをこれからも担っていけたらいいなと思っています。

上嶋さんのお店に行くと、いつもとってもお洒落なお花があって嬉しくなるし、好みもすぐに把握してくれて、花という存在を介し心が通う幸せを感じることができます。

上嶋さんは、素敵なお花が手に入る喜びの上に幸せな気持ちも乗せて手渡してくれる、「お花の魔術師」みたいな人。

来る人にそっと、魔法をかけてくれます。

ファンも多いSADAYUKI JOUSHIMAさん。
行かれたことのない方も、ぜひ足を運んでみてください。

連絡先

上嶋貞之 (じょうしまさだゆき)
https://www.facebook.com/sadayuki.joushima

SADAYUKI JOUSHIMA flower&greenworks
住所:岐阜県高山市下岡本町1653-1
(※店舗北側が駐車場になります)
電話番号:0577-57-7840
営業時間:10:00 – 19:00
定休日:日曜日(ご予約のみ対応)

公式ホームページ
https://www.sadayukijoushima.com/

公式インスタグラム
https://www.instagram.com/sadayuki_joushima_flower_works/

公式Facebookページ
https://www.facebook.com/sadayukijoushima1653/

この記事を書いた人

ライターMEGU

ライターMEGU

ライターMEGU (あかおめぐみ)
フリーライター、カウンセラー、中日新聞高山北部専売店記者、マリエクチュールスタッフ

高山生まれ高山育ち。文章を書くことと対話が大好きです。