百年後に、世界のどこかのアンティークショップで。ー 大澤 昌史( まる工芸 )

堅い素材の広葉樹を曲げる技術の難しさ。美しくあるべきだから。

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」出展作品。

まあるい雰囲気の仕事を目指して、行き着いた「曲げ物」

木工家具メーカーに勤めたのち、「まる工芸」という屋号で独立しました。丸い曲げ物を作りたくて独立した訳ではなくて、まあるい雰囲気の仕事ができればいいなあって、形というよりは漠然とした「まる」のイメージが好きだったので屋号を名付けました。最初は木工家具などを制作していたのですが、徐々に作るものが丸みを帯びてきまして、今では曲木の技術を活用した曲げ物を中心に制作しています。まるへのこだわりから自然と曲げ物に行き着いていったのかもしれません。加えて、「素直なものづくり」をしたかったんです。よりシンプルな作品を目指して、削ぎ落としていった中に宿る美しさが近いかなと考えています。

作品は美しくあるべきだから。サクラの美しさを最大限に表現

今回、出展する「オーバルボックス」や「トレー」は全部、広葉樹で作っている曲げ物です。「曲げわっぱ」と言われることが多いのですが、よくある曲げわっぱは、スギ、ヒノキ、サワラといった柔らかい針葉樹を使っています。その点、僕の作品は広葉樹のサクラを使うことが一番多いです。サクラはとにかく色目が綺麗で、曲げたときの曲げ具合や張りもトップクラスに美しい。当然、とても堅い広葉樹を曲げてくっつけるのは技術的に非常に難しいのですが、作品は美しくあるべきだと思っているので妥協したくはありません。サクラの持っている豊かさや美しさを最大限に表現したい。そんな想いで制作しています。

百年後に、世界のどこかのアンティークショップで

高山に移り住んで数十年、ずっとものづくりに携わっていますが、みなさんはこの街のものづくりをどう考えているのでしょうか?すごく興味があります。僕は年々ものづくりへの意識が変化していて、作品のフォルムや活用方法、表現したい世界観はどこを目指しているのだろうか「まる工芸ってなんだろう?」って自分自身をほじくりたかったのです。今言えることは、百年後に世界のどこかのアンティークショップに置いてあって売れるものであればいいなって思います。後はこれまで以上に、まあるい雰囲気のブランドにより近づいていけたらいいですね。シンプルにそれだけです。

まる工芸の連絡先はこちら

工房名:まる工芸
代表者名:大澤 昌史
住所:岐阜県高山市久々野町柳島1463
TEL:0577-52-3882

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」開催情報はこちら

飛騨高山ものづくり実践塾 作品展「想・創・装 – craftsmanship of hida -」

開催日程:2020年11月12日(木)〜18日(水)の1週間
時間:午前10時〜午後4時まで
会場:国指定重要文化財 日下部民藝館(大新町1-52)
入場料:無料(開催期間中は入館料も無料となります!)

※駐車場はございませんので、近くのコインパーキングなどご利用ください。

お問い合わせ先

高山市ブランド戦略課
住所:高山市花岡町2丁目18番地 高山市役所4階
TEL:0577-35-3001
E-mail:brand@city.takayama.lg.jp

 

 

飛騨高山ものづくり実践塾作品展 想・創・装
高山市公式ホームページ

 

 

この記事を書いた人

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丸山純平

丸山純平(まるやま じゅんぺい)
高山市出身。株式会社ゴーアヘッドワークス 企画/ライター
ヒダストのほぼ全ての記事を書いています。
最近は飛騨ジモト大学の事務局も担当。
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