意志と決断が、人生とご縁を紡いでいく ー 中野雅子 ( Hidamommy副代表 / カードコーチングトレーナー )

 

飛騨のママを応援するサイト「Hidamommy」で副代表を務め、カードコーチングトレーナーとしても活躍する中野雅子さん。

自分らしく生きる姿が印象的ですが、意外にも自らの意志を持てず、周りに流され過ごす半生を送られてきました。

そんな中野さんを自らの意思で決断する人生へ駆り立てた、ある大きなきっかけとは?心打たれるストーリーをどうぞご覧ください。

 

自分の意志を持てなかった学生時代。

飛騨市古川町で生まれました。弟が二人いたこともあり、おままごとよりも戦って遊ぶことが多い幼少期でした。

両親がすごく厳しくて、自分の意志や意見を持つことが許されなかったんです。家では基本正座で親の言われるがまま、親の承諾を得ないと外出もできない。中学生くらいになったら多少は自由になりましたが、長年自分の意見を持たない日々を過ごした結果、自分で考えて発信する力がなくなっていました。

 

周りや親の意見に従って古川中学校から吉城高校へと進学し、楽しく平凡な学生時代を送ります。高校3年の進路選択の時期、当時の私は「給食が食べたいな」と思っていて、給食が食べられる職業に就きたいと学校の事務員を志望していました。いくつか公務員試験を受けたのですが全部落ちてしまい・・。結局、公務員試験の対策ができる名古屋の大原専門学校に進学しました。

 

名古屋で一人暮らしは都会の寂しさも感じましたが、こんなにも人生は広く、自分でなんでも決めてよいのかと衝撃の連続でした。専門学校は高校の延長に近い形態で、ホームルームや学年集会、文化祭があったりとすごく楽しかったです。

 

下宿先の近くの吉野家でバイトしながら、門限もないからふにゃ〜んって感じの毎日。今思い返すと、ふにゃ〜んだけじゃ当然ダメで、自分を律して学び成長しなきゃいけなかったんですよね。

 

 

いざ公務員試験を受けようという時期に先生と面談したら、当時就職氷河期だったこともあり「厳しいんじゃないかな」と遠回しに言われまして、私もそうですよね!とすっぱり諦めました。それで親が勧める高山信用金庫を、例のごとく親に従って受けたらありがたいことに採用となり、地元へ戻ってきます。

親友との別れから、人生が動き出す。

ふにゃ〜んとした学生気分が抜け切らないまま入庫した私は、どう思い返してもポンコツ社員でしたね。先輩社員に手取り足取り何回も何回も教えてもらいながら、「やる気ある?」と何度も言われながら生きておりました・・。

 

みなさまには多大なるご迷惑をおかけしながらの入庫当初でしたが、先輩方のおかげで徐々にチームの一員としての自覚を持てるようになり、やがては後輩指導やチームワークを考えて運営していくことも学ばさせていただきました。上司にもお客様にも素敵な方々に恵まれたため充実してやりがいもありましたね。

 

大きな転機はプライベートで訪れます。実は私、2回結婚しているんです。28歳の時に一度目の結婚をしました。しかし夫と描く未来の価値観が大きくズレていくことに気づき、モヤモヤとした日々を過ごしていました。

 

そんな折、専門学校で出会った親友との別れが訪れました。親友は美人で明るくお洒落で賢い、とってもとっても素敵な女性でしたが、30歳にして病気で突然亡くなったんです。でも彼女は死の間際に「私の人生悔いないよ。」と言い残していて、私は自分の人生が恥ずかしくなりました。私も悔いがないように、自分の意志で生きよう。親友の言葉が後押しとなり、自分の意志で決断できるようになりました

 

 

そうして夫とはたくさんの話し合いの末、別々の道を選ぶことになりました。ここから人生が大きく変わり始めます。

飛び込んだ東京で、コーチングに出会う。

今の夫と出会った時は、離婚から期間が短いこともありましたが、人生一度きりだ!とお付き合いを始めたんです。そうしたら彼が出向で東京に行くことになりまして、「この人を逃したくない!」と半ば衝動的に、私も東京について行くことを決意しました。一緒に行ってもいいなと思えたんです。そうして12年半勤めた高山信用金庫を円満退職し、再婚して東京へ。今思い返すと我ながら凄まじい決断の連続でした。

 

自由な時間もできたので海外一人旅に行ったり、また新たにパートの仕事を始めたり。東京で吸収できることはしようといろいろ動いている内に、待望の我が子を妊娠したことが分かります。

 

 

またその頃、同郷の関口祐太くんがコーチング(対話によって相手の自己実現や目標達成を図るコミュニケーション技法)の勉強で、隔週東京に通っている事をSNSで知ったんです。彼の影響で私もコーチングに興味を持って、勢いで勉強会に参加してみたら目から鱗が落ちる衝撃でした。

 

私が前の夫とコミュニケーションで悩んでいた理由とか、自らの意志をずっと抑え込んでいた幼少期からのモヤモヤとか全部可視化されたんです。講座を受けながら毎回号泣でした。自分の意志を持って行動できなかった時代があるからこそ、その必要性や仕組み・手段・スキルに関心が高かったんですね。同時に私自身も周りの人を信頼できていなかったんだと大きな気づきを得ました。

 

自分のことをもっと知って、素直に表現できるようになったら良いよね。そう思ってご縁あって出会った、アドラー心理学を元にしたカードコーチングの勉強を本格的に始めました。これも東京に飛び込んだからのご縁ですね。あの決断をした自分を褒めてあげたいですし、人生って本当に分からないものですね。

 

 

飛騨に広がるコーチングの輪。

高山へ戻って来てからは子どもを育てながら、東京で学んだカードコーチングやカラーセラピーの講座を始めようと思い、しかしなかなか踏み出せない日々でした。

 

そんな時、助産師の長田直子さんが飛騨市古川町圓光寺で主催していた「のくとまりマーケット」に遊びに行ったんです。直子さんが「わざわざ高山から来てくれてありがとう。」と話しかけてくださり、それまでコーチングの説明が上手くできなかった私が、「こういう仕事をしていて・・」と、不思議と伝えることができたんです!

 

「それなら次回出店してね!」と初出店がトントン拍子で決まりました。お金をいただくことに最初は抵抗感があったのですが、出店の際にはすぐにお客さんが来てくださり、とっても嬉しかったですね。

 

 

活動を広げていくために出店イベントを増やしたり、パソコンが苦手ですがひだっちブログ「まちゃこの隠れ扉」を始めたり、子育ての合間に小さなチャレンジを積み重ねていました。次の大きなきっかけとなったのは2017年2月、丸山純平くん・谷口雅人くんが開催してくれた本間正人さんの講演会です。

 

 

本間さんはコーチング界の第一人者で、その講演内容もとっても楽しく身になる学びだったのですが、そこでステキバリエーション代表の水谷将章さんと出会えたことが新たなステージとなりました。私を社内研修の講師として、初めて法人のお仕事をいただいたんです。まだまだ実績もない駆け出しの私に大きなチャンスをくださり、今年も引き続き職員さん向けの研修を担当させていただいております。

 

一年間研修をさせていただいて、2期目に入った時に新たなチャレンジとしてコーチング養成講座も始めました。飛騨地域でどこまでニーズがあるのか、適切な指導方法も含めて模索と挑戦の連続でしたが、今まで5人、私の元から飛騨地域に新たなコーチが誕生しました!

 

 

おかげさまで私のコーチングの師匠を飛騨にお招きして講演会を開催できたりと、良質なコミュニケーションを大切にする輪が広がっています。コミュニケーションでお悩みの方はぜひ、頼りになる方が飛騨地域に着実に増えておりますのでご相談いただけたら嬉しいです。

 

「Hidamommy」で飛騨のママを応援したい。

最近は飛騨のママの情報サイト「Hidamommy」を、副代表の立場で運営もしています。代表の周真希子さんとは児童館で出会いました。当時、私も周さんも二人目を妊娠していて、かつ年子で姉妹。「おんなじや!」とその場で意気投合し、お互い出産してから岩下彰子さんの乳幼児教室はぴるんで再会。周さんは飛騨ちびっ子イベント情報をLINE@で運営していて、「ホームページを作るから一緒にやらない?」と誘われたんです。

 

 

地元民の私でさえ、子育てをし始めたら違う飛騨に見えました。愛媛県から高山に嫁いできた周さんにとって、その負担や不安は想像以上だと思うのです。それでも前向きに自分たちで創り上げていく、パワフルさに圧倒されながら一緒に活動しています。

 

「ママになったらヒダマミー」を合言葉に、飛騨地域3市1村にサイトや活動を広めていきたい。そんな思いからまずは飛騨市で、10月13日に「ママミィパーティー」という飛騨最大級の子育て応援イベントを開催します。実はイベントを開催したいと考えていた時に、長田直子さんから「のくとまりマーケットを一緒にやらない?」とお誘いが来まして、「キター!!」と最高の流れに大興奮でした。

 

 

ちびっ子とお母さんどちらも楽しめるイベントを創りたいんです。飲食の出店もアレルギー対応はもちろん、離乳食も提供します。小学生も遊べる縁日から、幼児対象のハイハイレース、様々な企画をご用意しています。他にも盛り沢山で、初めてのイベント企画でもあり困っていたら、NPO法人飛騨高山わらべうたの会代表の岩塚久案子さんが運営に参加してくださって・・めちゃくちゃ頼もしいんですよ!

 

 

初イベントながら大きくなり過ぎてしまった「ママミィパーティー」。懸命に準備しておりますので、どうなるのかは10月13日会場で確かめてくださいね(笑)。

「幸せだぁ」と感じる人が飛騨に増えたらいいな。

せっかくいろんなことを学び始めたこの数年だから、もっと自分に落とし込んだり、言語化や行動に移せるようになりたい。人とのコミュニケーションの難しさを悩み抜いた人生で、行き着いたのは自分と向き合う大切さだよね。至って当たり前のことなんだけど、もっともっと自分を磨いていかなきゃ。

 

自分勝手に聞こえるかもしれないけれど、やっぱりまずは自分自身幸福度が高い状態でありたい。自分が満たされた状態じゃないと、なかなか誰かに優しくしたり尊重したりなんてできない。もちろん今は満たされているけれど、それを維持できたり、また違う満たされた感覚を得られたらいいな。人生にいろんな波はあるのはしょうがない。だからこそ、それを受け入れられる余裕が大事かな。

 

コーチングを学んで、自分の意志で人生を歩み始めて、周りに信頼して本音で話せる仲間ができて、とっても楽になったなあ。同時に、今までの人生で出会ってきた全ての人たちへの感謝の想いが溢れます。

 

大好きな飛騨の人たちがみんな、自分の人生をもっと「幸せだぁ」と感じられたらいいな。そんな自分の人生を生きている大人たちに囲まれて、自分の子どもを育てていきたいです。

 

 

自らの意志で、新たに人生を歩み始めた中野雅子さん。コミュニケーションで人一倍悩み、決断を重ねてきた中野さんだからこそ、たくさんの方の心に寄り添える優しさに満ち溢れています。

その固い意志と決意が飛騨でどんな色彩を描いていくのか。今後のご活躍に期待大です!

連絡先

中野雅子(なかのまさこ)

https://www.facebook.com/machakohappy

 

ひだっちブログ「まちゃこの隠れ扉」

 

飛騨、高山の未就学児のママを応援するサイト!「Hidamommy」

「Hida mommy」LINE@の登録は下記から

https://line.me/R/ti/p/%40qso1990j

この記事を書いた人

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丸山純平

丸山純平(まるやま じゅんぺい)
高山市出身。株式会社ゴーアヘッドワークス 企画/ライター
ヒダストのほぼ全ての記事を書いています。
最近は飛騨ジモト大学の事務局も担当。
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